これらのことから、ご自分の乳腺に今までにはないしこりができていないか時々自己チェックをしていただき、何も異常はなくても、2年に1度は乳腺の画像検査で何もないことを確認なさってください。私見ですが、マンモグラフィーと乳腺エコーはどちらにも長所短所がありますので、毎年両方の検査をお受けいただければ充分ですが、隔年交互に選んで受けていただくと、ちょうど理想的かと思います。
今までにないしこりを発見した時は、検診時期を待たずに受診していただきたいとおもいます。しかしホルモン変化でできたり消えたりするしこりもありますので1-2か月消えないしこりか様子を見てからの受診でも手遅れになることはまずありません。消えるしこりは悪いものではありません。消えない場合がすべて悪性のものとは限りませんが、そういう場合は素人判断せず受診してください。また数多くの方が、乳腺の違和感や痛みを心配して受診されていますが、
しこりが無くて痛みから始まる乳がんは、まずありません。もともと乳腺組織は女性ホルモンに影響を受けており、生理周期で張ったり痛いと感じている女性が数多くいます。それが乳腺症という状態ですが、その自覚は生理痛と同じで年代や時期で色々に変化します。乳腺の生理痛みたいなものと思っていただければ、色んなバリエーションがあっても病気ではない事がほとんどだとご理解頂けるでしょうか?
痛みが片方であるとか、いつもの生理周期とは違う時期に痛いからという原因にはそんな乳腺症と、更年期障害、乳腺炎やMondor病などの良性疾患がほとんどです。
ある種の薬剤やサプリ等が脂肪細胞にある女性ホルモンを活性化することもあり閉経後でも、卵巣を手術した方でも、乳腺の生理痛や乳汁分泌のような副反応は起こりえます。
乳腺以外の原因として、肩こり、筋肉痛、神経痛、心臓神経症、逆流性食道炎、胃潰瘍、リウマチ性筋痛症、骨粗鬆症、帯状疱疹の初期(湿疹が後から出現)なども乳腺が痛いような感覚になる事が多いです。
しかし、しこりができて乳腺内を圧迫するように急な増大がある場合も、良性でも悪性でも痛みや圧迫感は感じます。しこりの存在を疑う所見のある場合は、受診して検査をお受けください。